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R.I.P George A. Romero : ゾンビ映画を発明して、ひとつのジャンルを世に送り出した「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の天才ジョージ・A・ロメロ監督が死去。享年77歳。



もしも、ゾンビ映画というジャンルが発明されていなかったなら…、


「バットマン V スーパーマン」(2016年)のザック・スナイダー監督は、リメイク版「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004年)で、ゾンビを走らせて、一気に注目を集める華々しいデビューを飾れなかったかもしれないし、「ベイビー・ドライバー」が絶賛ヒット爆走中のエドガー・ライト監督も、あの傑作「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004年)を作れなかったかもしれないし、「ザ・ウォーキング・デッド」のブームもあり得ない…などと考えると、自分に続こうとする後輩の若い監督たちにどれだけの影響を与えていたのか…、あらためて、その存在の大きさに敬服をしてしまうゾンビ映画を発明したホラー・マスターのジョージ・A・ロメロ監督がお亡くなりになられました…。享年は77歳でした…。


北米では今日の7月16日の日曜日に、ジョージ・A・ロメロ監督のマネージャーのクリス・ロウ氏が伝えてくれた訃報の声明(↓)によれば、闘病期間は短いものだったそうですが、死因は肺ガンによるものだったそうです…。

ご臨終の状況としては、同監督が愛してやまなかった名作映画のうちの1本であるジョン・フォード監督のジョン・ウェイン主演作「静かなる男」(1952年)のヴィクター・ヤングが手がけた映画音楽のサントラを聴きながら、妻のスザンヌさんと娘のティナさんとに寄り添われて、眠るように静かに息を引きとられたそうですから、とても穏やかに最期の時をお迎えになられました…。

“Legendary filmmaker George A. Romero passed away on Sunday July 16, listening to the score of ‘The Quiet Man,’ one of his all-time favorite films, with his wife, Suzanne Desrocher Romero, and daughter, Tina Romero at his side. He died peacefully in his sleep, following a brief but aggressive battle with lung cancer, and leaves behind a loving family, many friends, and a filmmaking legacy that has endured, and will continue to endure, the test of time.”

1940年にニューヨークのブロンクスでお生まれになられたジョージ・アンドリュー・ロメロ監督は、60年代のはじめに、CM 製作などから映像作りの仕事を始められ、若干まだ28歳にして、ゾンビ映画のジャンルを発明したとまで言われるカルト作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968年)を発表し、それから生涯にわたって、ゾンビ・マスターとして、いくつものゾンビ映画を作ってくださったわけですが、スティーヴン・キングとコラボした「クリープショー」(1982年)や、「ザ・ダーク・ハーフ」(1993年)のほか、「モンキー・シャインズ」などのホラー映画も手がけていらっしゃいます。

ダリオ・アルジェント監督とコラボした代表作ドーン・オブ・ザ・デッド」(1978年)の予告編



ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画が、それに追随して模倣しようとする作品の多くと大きく違って、高評価をされていたのは、人肉をむさぼるゾンビの姿をただショッキングに描いて、怖がらせるのではなく、その “ 生ける死人 ” の存在や、物語の舞台設定などに社会的なメッセージが暗示的に託され、世の中の欺瞞や不公平に対しての痛烈な批判になっていたとされるジャーナリズムの視点だと考えられています。


ホラーや、ゾンビのジャンルに限らず、そうした一本筋の通った気骨の作家性を持って、映画を作り続けていた監督の存在は傑出して貴重だけに、ジョージ・A・ロメロ監督には現在の訳のわからない時代にこそ、もっとモノを言ってほしかったのに…と、残念に思わずにはいられません…。


ゾンビ映画のジャンルと、それにまつわるカルチャーを創りあげた人として、後世にまで名前が伝えられるに違いないジョージ・A・ロメロ監督の遺作は、2009年に発表された「サバイバル・オブ・ザ・デッド」でした…。どうか故人のご冥福をお祈りください…。

相棒のトム・サビーニからのお別れの言葉です…。


前述のように、一緒に仕事をした間柄のスティーヴン・キングも、お悔やみの言葉を寄せてくれました…。


ザック・スナイダー監督は、やはり、自分の人生を変えてくれた名匠として、故人の死を惜しみ、失われたものの大きさを知らしめてくれています…。


エドガー・ライト監督は、思い出の写真を披露してくれました…。


「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督は、モンスターに意味を見い出して、描くことを学ばせてもらったようです…。


グラインド家のロバート・ロドリゲス監督からのお悔やみです…。


リメイク版「死霊の はらわた」(2013年)のフェデ・アルヴァレズ監督からの追悼です…。


「Saw」シリーズなどのリー・ワネルも、偉大な先人の死を悼んでくれています…。


「ホステル」シリーズなどで知られるホラー界の後輩のイーライ・ロス監督からのお悔やみの言葉です…。




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